前回の自分自身のあり方と解釈の重要性について書きました。今回はその続きにあたる「願望」のレベルを共有できたらと思います。
今回は長めな内容になりそうなのでお付き合いいただけたらと思います。
願望レベル、、とその前に、なぜ願望がコミュニケーションにおいて必要なのか?を解いていきましょう。
目次
習慣の分別
人は習慣というところで大きく分けて2つに分かれます。まず一つは「思考習慣」そしてもう一つは「行動習慣」です。
この習慣はほとんど自覚なく「無意識」の領域で行っていることが大半です。なぜ無意識かというと思考と行動は、何も意識せず日々過ごすと同じことを繰り返し反復し、潜在意識に刷り込まれ習慣化するからです。
例えば車で通勤している方が、「今日は郵便局に寄ってから会社にいこう」と思っていたのに、違うことを考えて運転しているといつもの決まった道を走ってしまい、郵便局を通り過ぎているなんてことないですか?他にも毎日のルーティンがあり、違うことをしようと思うとうっかり、、なんて経験ありますよね。
自分の習慣を変えることで相手とのコミュニケーションも変わるし、相手の位置がどこにいるかも確認できます。その位置というものが願望のレベルに関わっているということを頭の片隅に入れておいてください。
願望とは
皆誰しもが、なんらかの願いと望みを持って生きています。この願望には7つのレベルがあり、それぞれに特徴があります。その特徴を知ることで相手の望んでいるコミュニケーションがわかります。また自分自身のあり方にも通ずるはずです。
レベル1 絶望
絶望「望みが絶えること」
あまりにも望みが叶わず、望みを抱くことを自ら絶ってしまった、あるいは絶たれてしまった状態です。エネルギーはとても低く、自分にも他人にも無関心です。
もし身近な人が、この状態の場合、相手の思考回路や感情に、今後違う要素が入りこむ余地をつくるためにも風穴を開けてあげることが必要になります。相手を信じて、根気よく接していくよう心がけてみましょう。
レベル2 失望
失望「期待が外れてがっかりし、望みを失うこと」
失望は、その人によって個人差はあるが、基本的には時間が解決することがほとんどです。
とにかくこの状態の場合は相手の気持ちを浄化・排泄させる(カタルシス効果)。その手段はあなたの正論、アドバイスは置いといて、話を親身に聞くに限ります。実際抱えている問題が解決するしないは関係ないです。失望時間を短くすることで復活まで早くなります。
聞くポイントとしては、相手の話と自分の表情(あいづち)を同調させ、本気で聞く。なにか言いたくなる気持ちを抑え、ただただ聞く。なかなかこれが分かってても出来ないのですが、相手が話終えてスッキリすれば、相手はあなたに心を開いてくれます。
レベル3 要望
要望「物事実現を求め期待すること。あれが欲しい、こうして欲しいと望むこと」
このレベルの状態は「期待が外れ、がっかりすることを繰り返すうちに、その責任を自分ではなく他人や環境のせいにすることで自分の自尊心を守ろう」という心理からきている傾向が強いです。
その結果、「自分に求める」状態から「他人に求める」ように変わります。根本には「依存心、依頼心」があり、また「照れ」や「保身」ということもあります。
要望が叶わないと、怒ったり、いじけたり、すねたりし、すぐさま次の要望をぶつけてしまいがちです。相手より自分の立場を優先する思考回路が強いです。
要望レベルにいる人とコミュニケーションをとっていると甘えや依存心からくる言葉が多く、イライラしてしまう場面もありますが、このレベルの人もまずはしっかり話を聞くことがポイントになります。
自尊心や自己顕示欲が強いため、「聞いてくれた」ということに安心して、心を開いてくれます。そのあとは他人に求めるではなく、自分に求めるように一つずつ少しでもいい方向に導きます。
レベル4 欲望
欲望「欲しがる心。不足を感じてそれを満たそうと強く望むこと」
欲望には本人のあり方でいいイメージも悪いイメージも与えてしまいます。「不足を感じてそれを満たそうと強く望むこと」の言葉には解釈の違い混在します。一度「不足を感じて」と「満たそうとして」に分けて各言葉から読み解ける解釈のパターンをだしてみます。
「不足を感じて」
例えば、積極的で前向きな方の場合、向上心や課題解決に取り組む意欲を感じられ、プラスのイメージを与えます。一方で感謝の気持ちが無ければ強欲や自分勝手に思われ、マイナスなイメージを与えます。
「満たそうとして」
この場合の「満たそうと」は、基本的に自分に向けられていますので、自分の成長や達成にはとても有効なモチベーションとして機能します。
しかし、コミュニケーションという視点からすると、相手には「この人は自己への意識が強く、少し協調性には欠ける」と見られがちです。
日本の風潮として、就職の面接などでも「欲望」が強過ぎる人材は警終戒され、逆におとなしく「協調性」がありそうな人材が重宝されてきたように思います。
その需要からか、学校教育や家庭のしつけにもその風潮が根づいていったと考えられます。鍵は、その人がどのような「あり方」をもって「満たそうと」しているかです。
向上心から「満たそうと」しているのか、それともただ「自分だけが良ければいい」といった身勝手な気持ちから「満たそうと」しているのか。
それによって、与える印象も大きく変わってきます。
このレベルの人とは相手がどんなあり方で物事を解釈しているかを知る事でお互いの共通尺度を合わせていくことが重要になります。
レベル5 野望
野望「身の程を超えた大きな望み」
一般的な常識では、「野望」はあまり良いイメージでは表現されていないことが多く、目的のためなら手段を選ばないという特徴が見受けられます。
もしその相手がバランス感覚や判断力に欠けてしまっている場合には、違う角度から物ごとを見るなど、より良い手段を探せるように導いていくことがポイントです。
周囲や自分の将来への影響などを細かくイメージする機会を与えることで、冷静な判断ができるようになる場合もあります。大切なのは、そのバイタリティーや目的意識を評価しながら次の願望レベルへとシフトアップするようサポートすることです。
ともすると「野望」は、 自分のエゴや野心ばかりだと思われてしまいがちです。
しかし、そこには間違いなく「熱量」があります。 「情熱」を感じます。
身の程を超えた大きな望みがなければ、様々な革命や発明が無かったかもしれないですね。
レベル6 希望
希望「未来に望みをかけること。将来に対する期待、明るい見通し」
もし、人類が今よりももっと自分や世の中の将来に期待し、 明るい見通しを持つことができれば、 犯罪は防げるのではないでしょうか?
もし、あなたが、今よりももっと自分の人生と将来に期待し、明るい見通しを持つことができれば、 きっと仕事もプライベートも充実し、何ごとも楽しんで取り組めるのではないでしょうか?
「希望」は、「潜在能力」を引き出します。
「明るい見通し」は、チームや組織の雰囲気を盛り上げ、生産性を向上させます。「希望」を持つと、人は人相が良くなります。「明るい見通し」は、コミュニケーションをより良いものにしてくれます。
私たちがコミュニケーションを学び、活用することの最も素晴らしい恩恵のひとつは、出会う人に希望の種を蒔くことです。 出会った人の希望に水をやり、出会った人の希望の芽に陽を当て、出会った人の希望の畑の雑草を取り除く つまり、「出会った人と、その希望の果実を分かち合える」ということです。そして、より高みを目指すのであれば希望の種を志望というレベルにまで育てていくことにあるのです。
レベル7 志望
志望「自分はこうなりたい、こうしたいと具体的に望むこと」
志は「相手のためを思う気持ち」とあります。野望と志望の大きな違いはミッションや理念から湧き上がっている点です。
また希望との違いは、希望は自分が感じる、自分が与えるのに対し、志望は人に希望を与える、人に希望を与える人を増やすという点です。
コーチやコンサルタントの仕事は、その人の志望の方向性、可能性、必然性などを強く望み続けられる仕組みを一緒に作り上げていくことです。
コミュニケーションにおいて「お互いの成果に向かう」にはまず、自分自身の願望レベルを知り、成長させること。それにより、コミュニケーションレベルが向上し、豊かな人生へ導かれます。
「お互いの成果に向かう」ための元には願望が重要なのです。
さらに願望レベルを上げていくコツがあります。
センターサークル
改めて説明しますとセンターサークルとは、自分の価値観やこだわりを一度手放し、先入観を持たずに自然体でお互いに向き合う場所のことです。
この場合、どの願望にも縛られていないニュートラルな位置のことを指します。もちろん、自分の意見などは持ったままでかまいませんが、 「こだわり」や「偏った価値観」などは手放した状態でいることが重要です。
すると、自然体でいられるために、自分の意見でさえ「もしかしたら少し偏った見方をしていたかもしれないな」「ちょっとこだわり過ぎていたかもしれない」というように、ニュートラルな立場から見直すことができる状態になれるのです。
まるで、自分自身をもコーチングできるような
このセンターサークルという概念を持たない限り、どんなに言葉を交わしたとしても、壁を挟んだ向こう側とこちら側でのコミュニケーションとなってしまいます。これではいつまでたっても話は平行線。
しかし、この高くて厚い壁のあいだにセンターサークルを設けると、とたんに風通しが良くなってきます。 それは、 今まで自分の価値観というフィルター越しに聞こえていた相手の声が、 初めてストレートに聞こえてくるようになるからです。
自分から率先して
なかなかこだわりが強いとフラットな状態で相手の話が聞けないのも事実です。でもそれこそ自分がしないと相手はしてくれません。
自分からしたら「なんとなく負けた気がする」「妥協しているみたいで嫌」「こだわりを捨てたら自分じゃない」なんて思うかもしれません。
そもそもコミュニケーションに勝ち負けはなくて、相手と話すにはお互いが相手の話を聞くということができないとなにも変わらないです。
センターサークルはお互いを分かち合う場所
手段になりますが、相手にもセンターサークルに入ってもらう方法を少しお伝えします。
まずは自分からセンターサークルに入る。そのあと「お互いの意見を持ち寄って、一緒にみてみよう」とか「自分の考えを押し付けるつもりもないし、無理に考え方を変えなくていいから、とにかくここで話そう」と言ってみてください。
そこでとても大事なことですが、あなた自身「勝ち負けや妥協じゃない」と腑に落とすことです。
自分自身が相手を導かなければいけないではなく、「お互いが満足できるところへたどり着くか」が重要です。
「自分の解釈を変えてもいい」という潔さを持った本物の人格者が相手の人生にも影響を与えることができます。
最後に
長文になりましたが、自分のあり方の土台にもなる願望レベルの話でした。僕自身今まで学んできたコミュニケーションの中でもこのカテゴリーはよく考えて、相手がどこの位置か考えるようになりました。
コミュニケーション能力を高めることは永遠の課題とも言えることですが、楽して人生が良くなることはないと思います。考えることがめんどくさくて放棄している人や自分だけ良ければいいで片付けてる人で幸せだと言ってる人は見たことないです。
大変なことを楽しめるマインドにする思考回路を習慣化できればと思い、日々思考と行動を意識しています。
今回はこの辺で終わります。次回は「成功」とはに関することを書きたいと思います。本当ここまで読んでいただきありがとうございます!
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